「蓼科で原生林に触れる。ゆっくりと、何もしないを楽しむ。」
東京で育ち元々は東京で営業職として働かれていた大谷さん。20年前の45歳の時に会社を辞めて、蓼科に移住。現在ネイチャーガイドとしてご活躍されている大谷さんに、蓼科の自然の魅力について語っていただきました。
Q. 蓼科に住んだ経緯を教えてください。
蓼科に住んで20年です。45歳までは東京の会社で働いていましたが、移住しました。
尊敬していた会社の上司が60歳くらいで亡くなってしまったことをきっかけに、自分の好きなことがやりたいと感じたことが移住のきっかけです。
昔から山が好きだったので、山で暮らしたいと思っていました。
Q.ガイドを始めたきっかけはなんですか?
自然を守りたいと思ったことがきっかけです。自然を守るのに自然を好きな人を1人でも増やせば、自然を守る仲間が増えていくと考えています。
蓼科に来て、保護運動をやっている団体に入って勉強してきたのですが、当時は自然を破壊して土地開発が進められることが非常に多くありました。
最近はゴミを捨てる人も減り、昔と比べて自然と寄り添う人が増えてきたと思います。
Q.ガイドツアーの魅力とはなんでしょうか?
自分たちのことを自然と人のインタープリター(通訳)と呼んでいます。山に来た人がただ歩くだけでは通過して気付けないようなものや、目には見えない文化や歴史を伝えています。
一度ガイド付きのツアーを経験すると多くの人が面白さに気付きご依頼頂くようになりました。
自然や地域のファンを増やしていくことで自然を守り、地域を潤していきたいですね。
Q. この大滝と苔ツアーの魅力はなんですか?
1時間程度の手軽なツアーで苔と針葉樹のさわらの木が広がる原生林に出会えることです。
蓼科は火山地帯なので大きい岩がゴロゴロしており、沢沿いでは普通の植物が育ちにくい。そのため苔が発生しやすいのですが、人の手が加わっていないため、他の地域にはないにはない面白い自然の景色となっています。観るだけではなく、ぜひ実際に苔を触ってみてほしい。苔は水分を保っていてフカフカしていて気持ちいいのです。
蓼科は広葉樹林や落葉松林が多くて乾燥した明るい印象だと思いますが、大滝やこの場所だけは夏でも苔の森に行くとひんやりした雰囲気を楽しめます。
また違った蓼科の雰囲気を味わうことができます。
Q. このツアーをどんな人におすすめしたいですか?
都会ではなかなか味わえない原生林の雰囲気が残っています。大滝周辺の太いさわらの木が見た目にも面白く、歩いて楽しむことができる。
原生林は日本の中でも少なくなってきていますが、比較的短時間で誰でも簡単に歩いて楽しむことができるため、都会の人にもおすすめです。
Q. 蓼科の自然の魅力はなんですか?
蓼科は広葉樹林が多く明るいカラっとした印象です。爽やかな気候で、夏は涼しい。
カラ松の森があり、谷の暗い森があり、植生と動物の種類が非常に多く自然の多様性がある。家にいるだけでも庭でリスが走っていたり、狐や狸、アナグマ、鹿など多くの動物を楽しむことができる。
北八ヶ岳にはロープウェーで上がって行けるのですが、高低差によってまた違う植生を楽しむことができて面白いです。何かがあってレジャーをするよりも、ブラブラと散歩することで過ごしてみてほしい。
Q.最後に一言何かあればお願いします。
蓼科は何かをして帰るところではないと感じています。自然の中でゆっくりと散歩して、過ごして欲しい。
都会にいると何かをしなければいけない、アトラクションで時間を使うと思いますが、蓼科では「ゆっくりと、何もしないを楽しむ」ことが楽しめると思います。